フォートウィリアム Fort William
前回の「タリスマン」に続いて、1,000円台で買える格安のスコッチを紹介したいと思います。
こちらは「フォートウィリアム」。
概ね1,500円前後で買える格安のブレンデッドウイスキーです。
「スコッチの伝統技法で作られた原酒をニッカウヰスキー社ブレンダーにより日本人の繊細な味覚にかなう甘くてスムースな味わいに仕上げた」との記載があります。
スコットランドのハイランド地方にある、ベンネヴィス蒸溜所で作られたモルト原酒をベースに、日本のアサヒビールが販売しているウイスキーです。
ベンネヴィス蒸溜所と言えば、イギリス最高峰の山である「ベンネヴィス山」の麓に作られた蒸留所であり、ベンネヴィス山の雪解け水で作られたモルト原酒は、トロピカルフルーツのようなアロマな味わいが楽しめると評判です。
そんな「ベンネヴィス」をベースに作られた、このウイスキーですが、
ストレートで飲んだ最初の感想は「アルコール感が強い!!」でした…
アルコール感やアルコール臭がかなり強く、ストレートではスコッチウイスキーの旨みをあまり感じる事が出来ませんでした。おそらく使用されているモルト原酒が若く、あまり熟成されていないのだと思われます。
ただ、たっぷりの炭酸水でハイボールにすると、アルコール感が薄まり、ほのかに木樽のウッディーでスパイシーな味を感じる事が出来ました。
1,000円台という価格を考えれば、一味違ったウイスキー(ハイボール)を味わうという意味ではかなりコスパの良いウイスキーだと思います。
スコッチに興味があるけどあまりお金をかけたくない方や、いつもと違うウイスキーを手軽に試したい方にはピッタリなウイスキーではないでしょうか。
是非、お試し下さい。
タリスマン Talisman
タリスマンというウイスキーをご存じでしょうか。
スコットランドのハイランド地方にある、トマーティン蒸留所のモルトウイスキーと、複数のグレーンウイスキーを混和して作られたブレンデッドウイスキーです。
日本の宝酒造によって販売されています。
あまり知名度の高く無いウイスキーですが、かなりコスパの良いスコッチなのです!
1,200円〜1,300円程度と安価で購入出来るスコッチなのですが、スコッチ特有のモルトのまろやかさとオーク樽の芳醇さをしっかりと感じる事が出来ます。
「ホワイトホース」「エンシェントクラン」「ホワイトマッカイ」等、低価格帯のブレンデッドウイスキーは色々ありますが、スコッチ独特の旨味を一番感じるのは「タリスマン」だと思います(個人的な感想ですが)。
この価格帯でも、ストレートで飲んで旨味をしっかり感じる事が出来ます。
ストレートで飲むと、若干のアルコール臭さはあるものの、モルトの旨味とオークの香りをしっかり感じる事が出来ます。
ハイボールで飲めば、アルコール感が無くなり、モルトの旨味と爽やかな喉越しが非常に美味しく感じられます。
「タリスマン」とは、スコットランドにおいて、魔除けやお守りを意味する言葉とされています。ラベルには、11世紀の宗教戦争において、トルコ軍と戦った十字軍の騎士をイメージした版画が描かれています。
市場において価格が高騰しているスコッチですが、低価格でも「スコッチらしさ」を感じる事が出来るウイスキーです。是非一度、お試しください。
ウイスキーの飲み方について
ウイスキーを飲むとき、皆さんはどの様な飲み方が好きですか。
ストレート、ロック、水割り、ハイボール等色々な飲み方がありますよね。
今日は一般的なウイスキーの飲み方について紹介したいと思います。
まずは「ストレート」。
常温のウイスキーをのそのまま飲む飲み方です。ウイスキーの味を直接感じることができますが、刺激が強いため、お酒が弱い方やウイスキーに不慣れな方にはオススメ出来ません。バー等では、チェイサーと呼ばれる水と一緒に提供される事が多いです。ウイスキーはアルコール度数が強いため、痺れた舌と味覚を元に戻すため、合間に水を飲みます。
シングル(30ml)もしくはダブル(60ml)で提供するお店がほとんどで、それぞれの注ぐ量が指1本分の幅に相当する事から、「ワンフィンガー」「ツーフィンガー」とも呼ばれます。
次が、「ロック」。
氷を入れたグラスに、シングル(30ml)のストレートウイスキーを注いで飲みます。
勘違いされがちなのですが、氷を入れる目的は、ウイスキーを冷やして飲むためです。アルコール分を薄めるためではありません。ウイスキーを冷やすことで、アルコールの口当たりがまろやかになり、ウイスキー本来の旨味や香りを感じることが出来ます。
バー等で丸い氷が使われるのは、できるだけ氷を溶かさずにウイスキーを冷やすことを目的としているためです。
次は「トゥワイスアップ」。
水とウイスキーを1:1の割合で混ぜ合わせる飲み方です。水割りの様に、氷は入れず、加水する量も少なめです。加水する事によって、アルコールの刺激がより抑えられ、ウイスキー本来の味や香りがはっきりします。
ストレートで飲むよりも、正確にウイスキーの味を捉えることができるため、ウイスキーのブレンダーやテイスターが味を確かめる際には、トゥワイスアップを用いる場合が多いです。
最後に「ソーダ割り」。
ウイスキーをソーダで割る飲み方で、分類としてはウイスキーベースのカクテルに分けられます。よく呼ばれる「ハイボール」は「蒸留酒の炭酸飲料割り」を指しますので、ウイスキーの炭酸飲料(ソーダ)割を指すのであれば、「ウイスキーハイボール」が正しい呼び方になります。ややこしいですね…。
炭酸水で加水しているため、飲みやすく爽やかな喉ごしと、炭酸成分と共に感じられる華やかな香りが特徴です。
この他にも、「ホット」「ハーフロック」「ミスト」など様々な飲み方があります。
飲み方によって味が多様に変化する事もウイスキーの魅力の一つだと思います。
ちなみに、私が一番好きな飲み方は「ストレート」です。「ストレート」だと刺激が強過ぎてウイスキーの味なんか全然わからない…という方にオススメしたいのが、「オーヘントッシャン」というスコッチウイスキーです。
いずれこのブログでも紹介しようと思うのですが、このウイスキーはとにかく飲み易い!
ストレートで飲んでも、嫌なアルコール感は全くなく、華やかな香りとフルーティーな味を楽しむ事が出来ます。ウイスキーに興味を持ち始めた方、ストレートでもさっぱりスマートに飲めるウイスキーをお探しの方に、是非オススメしたいスコッチなのです。
ウイスキーとウヰスキー、WhiskyとWhiskey
PCやスマホで「ウイスキー」と入力すると、「ウヰスキー」と変換候補が出て来ませんか?
あまり見慣れない「ヰ」の文字。ウ「ヰ」スキーの由来について紹介したいと思います。
日本で初めて本格的なウイスキーを作ったのは、竹鶴 政孝氏です。
「マッサン」としてNHKのドラマでも話題になりました。彼はウイスキーの本場、スコットランドで修行をし、寿屋(現在のサントリー)に招かれ、日本で本格的なウイスキー作りを開始しました。1923年の出来事です。
竹鶴氏曰く、「ウイスキーは水が命」。
そこから井戸の「井」を使って、ウ井スキーと名付けられました。
しかし、当時は、漢字とカタカナを使っての商標登録が認められなかったそうで、やむなくカタカナの「ヰ」を使い、「ウヰスキー」と名付けられたのでした。
また、海外においては、「Whisky」と「Whiskey」、二つの呼び方が混在しています。
スコットランド・日本・カナダにおいては、「Whisky」が使われますが、アイルランド・アメリカにおいては「Whiskey」が一般的です。
これは、19世紀頃に起こった、スコットランドとアイルランドのウイスキー覇権争いが起源と言われており、それぞれが商業戦略として一線を画すために、呼び方を区別したと言われています。
ウイスキーの多様性を表すエピソードを紹介させていただきました!
ウイスキーの歴史
世界中に幅広く流通しているウイスキーですが、意外な事にその発祥の地は未だに特定されていません。「スコットランド説」「アイルランド説」と2つの説が有力とされていますが、歴とした証拠はなく、今も論争中なのです。
そんなウイスキーですが、語源はゲール語の「ウシュク・ベーハ」。
ラテン語で「生命の水」を意味する、「アクアヴィテ」を直訳したものだと言われています。
この「アクアヴィテ」ですが、ウイスキーだけでなく、焼酎やジンなどの蒸留酒全般の語源となっているそうです。現代のようにお酒の種類が細分化されていないため、蒸留酒=生命の水=ウシュク・ベーハ=ウイスキーとなったのだと思われます。
さて、その「蒸留酒」ですが、原料を発酵させた液体(醸造酒)を加熱→気化した蒸気を冷却し抽出することでアルコール度数を高めたお酒の事を指します。
この蒸留技術、元々は錬金術や香料を作るために生み出されたそうですが、いつからお酒の製造に応用されるようになったのかは分かっていません。
そして、ここで面白いのが、「蒸留酒」は無色透明の液体です。ウイスキーが誕生してしばらくは、無色透明な液体をウイスキーとして飲んでいたのです。
それではどうやってあの琥珀色のウイスキーが生まれたかと言うと、ウイスキーに重い税金がかけられていた時代、生産者が山に隠れてウイスキーを密造します。
その際、製造したウイスキーが人目につかないよう木樽に隠して保管していたところ、木樽の成分が少しづつ溶け出し、まろやかで香り高い琥珀色のウイスキーが偶発的に誕生したのでした。
今回は少し長い記事となってしまいました。短い文章でわかりやすく伝えられるよう、これからも勉強していきます。
5大ウイスキー
世界中で愛されているウイスキーですが、大まかに分けると、一般的に「5大ウイスキー」と言われる5種類のジャンルに分類されます。
ウイスキー全体消費の6割を占める、名実ともにウイスキーの代名詞的存在、「スコッチウイスキー」。
かつては、ウイスキー生産量界一位、ウイスキー発祥の地とも言われる「アイリッシュウイスキー」
ウイスキー戦争や禁酒法時代等、激動の時代を乗り越えて独自の個性を育んだ「アメリカンウイスキー」。
アメリカの禁酒法時代、独自のフレーバリングウイスキーと密輸で、飛躍的な成長を遂げた「カナディアンウイスキー」。
スコッチを手本に繊細で高い技術力が世界に評価され始めている「ジャパニーズウイスキー」。
これら五つのウイスキーを持って世界五大ウイスキーと呼ばれています。
今後はこの5つのウイスキーについて、特徴や感想を交えながら紹介していきたいと思います
作られている国の風土はもちろん、原材料、仕込み水、蒸留方法、熟成方法等によって様々な特徴や味わいを持つのがウイスキーの大きな魅力です。
これから少しづつ紹介していきますので、一緒にウイスキーの魅力について学んでいけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
ウイスキーとは
様々なウイスキーについて紹介していく前に、「ウイスキー」とはどの様なお酒なのかを簡単に紹介したいと思います。
ウイスキーとは、簡単に言うと、「大麦」「小麦」「トウモロコシ」等の穀物を原料とした「蒸留酒」を、「木樽」で熟成させたお酒の事を言います。
発酵させた穀物を、炎や蒸気で沸騰させ、気化したアルコールを冷やして抽出した液体を木樽で熟成したものがウイスキーです。
こちらの紋章は、1930年代にスコットランド紋章院から認可されたもので、「大麦」「水」「蒸留器」「木樽」ウイスキーの4大要素を表しています。
このように、使用する、「穀物」・「水」・「蒸留器」・「木樽」・「発酵方法」・「熟成年数」などによって、大きく味や風味が異なるのがウイスキーの大きな特徴であり、魅力なのです!
今後はウイスキーの特徴や味の感想等を、シンプルに紹介していきたいと思います。
このブログをきっかけに、お気に入りのウイスキーを見つけていただけたますと幸いです。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
Sara